柏木吉基さんは慶応理工→日立→日産でMBAホルダーという方です。
この本は、購入リストには入ってなかったのですが(失礼w)、ブックオフでたまたま見つけて、新刊やでこれっ!!って感じで買ってしまいました(ほんと失礼ww)。
でも、実際は、行動経済学に関する本で興味のある分野でした。
行動経済学は、そもそも人は合理的な行動をするとは限らず、その非合理な行動を研究するという学問です。
これだけ聞くと硬く感じますが、具体例をあげればふだん私たちが日常生活でする意思決定にも深く関わっていて、「たしかに!」「なるほど!!」とうなずくこと必至です。
しかも、具体例だけでなく、本書はこれまでの行動経済学の点が散りばめられているところから、点と点→線→面と体系的にまとめあげているところに理解のしやすさがあります。
実際に本書を1面にまとめた図表が見開き部分にあり、まさに面としてまとめあげられています。
行動経済学の具体例としては、
200万円でソーラー発電システムを付けるのは躊躇するけど、何千万の新築買ったついでに200万でソーラーシステムを付けるときは心理的ハードルが下がる。
今すぐもらう1万円と1年後にもらう1万2千円では、今すぐ1万円もらう方に魅力を感じる。(実際20%の利息が付くことなんてめったにないのに・・・)
専門書の古い具体例とは違う、身近な具体例から行動経済学の専門用語に触れることができるので、よい入門書です。
たまたまですけど、読んでみて本当によかったです


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目次
■第1章 なぜ、売上アップにつながらない販促が正当化されるのか
~数字を読み取るときの落とし穴
▼コラム 平均回帰の仕組みをより深く理解する
■第2章 S字の魔力がイエスマンを作り出す
~損得の大きさと確率を判断するときの落とし穴
▼コラム 年功序列は本当に終わったのか?
■第3章 ネガティブをポジティブに変える法則
~捉え方がもたらす落とし穴
▼コラム 定額給付金はどのアカウントに入る?
■第4章 愛着はムダ仕事の素?
~過去と今への執着がもたらす落とし穴
▼コラム 教育もサンクコスト?
■第5章 若者は3年で辞めません
~記憶がもたらす落とし穴
▼コラム 事実と実感、ホントのところ
■第6章 残業と先延ばしの経済学
~未来の軽さがもたらす落とし穴
▼コラム あなたの割引率はどれぐらい?
■第7章 「見た目が9割」で思考停止しないために
~不適切な情報と知覚がもたらす落とし穴
▼コラム あの人の評価は本当に的を射ているのか?
■点から線へ、線から面へ ~フレームワーク体系図について
★販促しなくても売り上げが上がる(平均回帰)
販促が無駄ではなく、「データは平均に向かう」性質がある
⇒平均回帰による改善か、それ以外の原因で改善したのか
それともやっぱり販促の効果があったのかを分析する
★75%が支持する○○に騙されない(少数の法則)
サンプル数に着目する!
⇒4人に聞いて3人が支持して、そこで調査をやめれば
75%が支持することになる(極端に言えば笑)
商品名を出すのもアレなんですけど・・・
「植物物語」ってシャンプー知ってますか?
これを聞いたら、全部が植物成分でできてるって思いませんか?
実際は洗浄成分が100%植物成分なのだそうです。
つまり、洗浄成分が10%なら植物成分10%ってことです。
★低い確率は高く、高い確率は低く見積もる(確立加重関数)
宝くじ1等は1000万分の1しかないのに買ってしまう
自分だけは病気にならないと喫煙を続ける
逆手に取ったキャンペーン
「100人に1人がタダ!!」(確率1%)
みんなが10万円分買うとして
100×10万=1000万
一人タダで10万円(一人当たり1000円の割引)
(値引き率1%)
タダに魅かれて注目を浴びて1%以上の確率で
当たりそうな感じですよね。。。
★大金つぎこんだから引き下がれない!!
(現状維持バイアス、サンクコスト)
これは、わかっててもできない心理的負荷ですよね。
3億つぎ込んで長年やってきたプロジェクトを止める
株で損が出て来て下がりだしたけど損切りできない
⇒結果、最悪の事態に・・・
注意する点
これから得られるであろう利益
追加出資するコストと他の分野に投資すれば得られる機会コスト
★自分のコミュニケーションを疑え
ついつい自分勝手な思い込みで話したり、
相手がイライラしてて、自分までイライラしたり・・・
こんな状況ってありますよね><
@自分の思考のバイアスを認識する
A相手の思考バイアスを認識する
B以上を認識したうえでロジカルな意思決定
C以上に基づいた適切なコミュニケーション
などを分析することが大切みたいです。
特に相手が何を考えてこんなこと言うのか??
ということに意識を持つとスムーズに意思疎通できそうですよね。
このほかにも、スーパーの値札車の下取りなどなどの
具体例から行動経済学を見渡せるのでとても役に立つものでした。


そもそも普段の行動が感情に
左右されていることに意識を持つw
面白い値引きやキャンペーンがあったら直感でなく
それを分析して、どれくらい得なのか考えてみる。
イラッ!!としても、感情で返さないで遠い目で見てみるw
それでは、今回はこのへんで

この度掲載頂きました「人は勘定より感情で決める」の執筆者です。
ポジティブな書評を掲載頂きありがとうございました。たくさんの方に楽しんで頂ければと思っております。
まずはお礼まで
本書で行動経済学を逆手に取ったビジネスというものを考えてみるきっかけになりました。
何度か読んでさらに深化させたいと思います。
とても勉強になりました。